家庭用エアコンの解体を全公開|スクラップとして売る前に知るべき注意点も

東大阪で金属のリサイクルをおこなっている古谷商店です☆(^▽^)
今回のブログの題材は「家庭用エアコン(ルームエアコン)」。
最近では空き家を狙った金属盗難で狙われるスクラップとして話題にもなっているアイテムになります。
金属スクラップの価値としては銅を中心とした高価な金属が多く含まれることから盛んに取引されるアイテムですが、一方で取り扱いにはとても注意が必要なアイテムでもあります。
この記事では、家庭用エアコンの解体作業をご紹介するとともに、持ち主として金属リサイクル業者に売却する際の注意点も解説していこうと思います。
とても身近でどのご家庭にもあるアイテムですので、一般の方もぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです☆
手解体作業・室外機
今回は家庭用エアコンの室外機と室内機を10セット用意して、一気に解体していきました。
エアコンは室外機と室内機が銅配管でつながって動く装置ですが、まずは室外機の解体作業を見ていきましょう!
室外機はご家庭ではベランダなどの屋外に設置する箱型の装置になります。エアコンの心臓部はこの室外機に集約されているので、様々な部品で構成されています。
外側の鉄のカバーを取り外すと、内部が丸見えになっていきます。


なお、解体に入る前の大前提として、フロン類(冷媒)の回収を先に済ませておく必要があります。
古谷商店では、自社の回収機を使って回収する方法と、有資格の専門業者に依頼する方法の両方に対応しています。持ち込まれた状態や台数に応じて適切な方を選び、いずれの場合も回収の記録を残したうえで解体工程に進んでいます。
「エアコンを引き取ってもらったあと、フロンはどうなっているんだろう?」と気にされる方は少ないかもしれませんが、ここを飛ばして解体することは法律上できません。エアコンを扱う業者にとって、最初の関門とも言える工程です。
フロンガス(冷媒)の回収が済んでいても、若干の油分が垂れてしまうことがあるため、手解体はオイルパンという浅い金属の槽の上で行います。
古谷商店の解体作業場はもともと鉄板を溶接で敷き詰めているので土壌汚染の心配はありませんが、あとの掃除が楽なのでオイルパンの上で解体するようにしています☆
それでは、室外機の中に含まれている代表的なスクラップについて見ていきましょう!

レシプロ式コンプレッサー(黒モーター)
エアコンの心臓とも言えるこの部品は、黒い密閉ケースの中にモーターとピストンが入っていて圧縮したり解放したりをくり返してフロンガスを気化させたり液化させたりします。通称「黒モーター」とも呼ばれ、モーター部分に銅コイルが含まれるた高価な金属を取り出すことができます。
しかし、潤滑油が封入されていたこともあって解体時に潤滑油による土壌汚染の可能性もあるので、しっかりと対策したうえで解体していく必要がある部分になります。

ラジエター(熱交換器)
こちらもエアコンの重要な部品で、蛇行する銅の配管に薄いアルミのフィンを何重にも差し込んで作られています。
銅管の中をフロンガスが循環するのですが、圧縮時に熱を持つのでその熱を逃がすためにラジエターに風を当てて放熱します。
効率よく放熱させるために熱伝導率の高いアルミや銅といった高価な金属で作られていますので、スクラップの価値は非常に高いものになります。

銅配管類、真鍮継ぎ手類
黒モーターやラジエター、室内機を循環するフロンの通り道となる配管類には熱伝導率が高く、柔らかくて加工しやすい銅がたくさん使われています。
錆びにくいというのもメリットですね。
また、バルブ類には腐食に強く加工がしやすい真鍮が使われています。
写真では黄色い金属の部分が真鍮なのですが、真鍮も銅合金の一種で、約60〜70%が銅で構成されている素材です。
そのため、スクラップとしての価値も銅の価格によって変動する金属となります。

ファンモーター
ラジエターに風を送るために内蔵されている扇風機のような部品です。
ファンの羽自体はプラスチック製がほとんどで、室外機の解体時に出てくる代表的な金属以外の素材と言えます。
一方で、ファンを回すためにモーターと連結されていて、こちらには銅のコイルが含まれるため羽の部分をはずしてモーターを取り出します。
家庭用のエアコンだと1つだけ入っているものですが、業務用の室外機などではラジエターも大きいので複数のファンが内蔵されています。
以上が代表的な金属スクラップとなります。
そのほかにも電機制御用の基盤なども含まれていて、そこからも少量のレアメタルを取り出せたりします。
このように、エアコンの室外機には多くの銅を含む部品が内蔵されていて、解体分別することで鉄は鉄、銅は銅というふうにリサイクルすることができるのです。
一方で、含まれる高価な金属を目的に窃盗の対象になってしまっている悲しい事実もあります。
さて、次は室内機の解体作業を見てみましょう!
手解体作業・室内機
室内機は屋内の壁に取り付けてある装置です。
この室内機は室外機に比べると取り出せる金属は多くはありませんが、それでも解体することで金属資源を取り出すことができます。


実は室内機のほとんどはプラスチックで出来ています。
軽くするという目的でそうなっているのですが、取り出せるのは写真のような薄いラジエターくらいになります。
家庭用エアコンの解体に伴って出てくる金属以外の不純物は室内機からでてくるといってもいいほどです。
そのため、金属の価値として室内機を見るとすれば、室外機ほどの価値を見積もることは難しいものになっています。
今回は室外機、室内機のセットを10セット解体してみましたが、写真は、10セット分から出た金属以外のプラスチック類をまとめたものです。

10セット分となるとなかなかの量になりますね〜。
その大部分は室内機のものになるのですが、こうしたことからも室外機と室内機ではスクラップとしての価値に大きな差があります。
ここまでいかがだったでしょうか?
普段は目にすることがないエアコンの内部構造を知っていただけたのではないかと思います☆
それでは次は一般の個人の方が金属スクラップとして家庭用エアコンを売却、処分する際の注意点にも触れて終わりにしたいと思います。
家庭用エアコンを金属スクラップとして売却・廃棄する際の注意点
家庭用のエアコンの処理には関係する法律が多く、何が正しいのか非常にわかりにくいアイテムです。
ざっと挙げるだけでも「フロン排出抑制法」「家電リサイクル法」「廃棄物処理法」「古物商法」「金属盗対策法」といった様々な法律が絡み合っています。
法的な区分や詳しい内容は家庭用エアコンについての特設ページがありますので、そちらもチェックしてみてください↓↓↓
様々な法律のもとで規制されている家庭用エアコン。
金属スクラップとして売却または廃棄をする場合、金属リサイクル業者であればどこでもいいわけではありません。
全ての法律をクリアして取り扱うことを許されている業者を選ぶことが最も重要です。
それでは、取り扱いを許されている業者かどうかを見分けるポイントをまとめたいと思います。
そもそも家庭用エアコンは家電の中でも特に重要視されている家電4品目に該当するアイテムです。
一般的には家電量販店などで新規購入した際に既設のエアコンを撤去してもらう場合が多いですが、その時に「家電リサイクル券」という書類を記入して適切なリサイクルルートに乗せて処理するのが最もポピュラーな正規処理方法になります。
(リサイクル費用を負担する必要があります。)
しかし、撤去だけの場合など家電量販店を経由しない場合もあります。
そのような場合はお住まいの行政に問い合わせて粗大ごみと同じように費用を払って回収してもらうという方法と、古谷商店のような金属リサイクル業者に任せるという方法があります。
金属リサイクル業者の中でも家庭用エアコンを取り扱うことができるのは「有害使用済機器」保管の許可の中の「ユニット型エアコンディショナー」の取り扱いを許可されている業者を選ぶ必要があります。見分ける方法は簡単で、下の写真のような掲示がありますので必ず確認するようにしてください。

逆に言うと、このような許可がない業者はそもそも家庭用エアコンを金属スクラップとして扱ってはいけませんので、違法業者に関わってしまう危険を避けるためにも注意が必要です。
一方で、金属スクラップとしてではなくリユースの中古品として「古物商許可」の範囲で扱うというパターンもあります。
もちろんこれは違法ではありませんし、リユースはとても良いことですのでまだ十分使えるエアコンであればそういった買取業者に売るということも一つの選択肢ですね。
しかし、リユース品として買取するということを大義名分に明らかにスクラップ処理するという業者が後を絶たないことも問題になっていて、行政も頭を悩ます原因となっています。
非常に難しい判断になりますが、無造作に積み上げられていてリユースするようには見えない業者や、明らかに壊れているものを積み上げていたりするなど、リユース品として扱っているようには見えない業者などは避けた方が安全です。
2026年6月1日に新しく施行された「金属盗対策法」という法律があります。
これは、金属の高騰にともなって増加しつづける金属の盗難を是正するための法律で、銅を多く含むエアコンのスクラップも法の対象になりました。
記事の冒頭で「空き家を狙った金属盗難」の話に触れましたが、まさにこの流れを受けて生まれた法律です。
この法律により、銅を含む金属スクラップを買取する業者は例外なく管轄警察署に届け出を提出して特定金属くず買受業者として登録することが義務化されました。
この届け出を済ませないとエアコン類をとり扱うことができませんので、届け出済の業者であることを確認する必要があります。
また、この法律によって売却時に写真入り身分証明書による本人確認が義務付けられるようになりましたので、本人確認を求めてこない業者も違法業者の可能性が高いので注意してください。
厳密には、2026年8月31日までに届け出を済ませないといけないことになっているので、この記事の執筆時にはまだ登録を済ませていない業者もあります。
しかし、本人確認義務は届け出を済ませていなくても6月1日から義務が発生しているので、必ず本人確認をしっかりと行っている業者かどうかが重要です。
長くなってしまいましたが、以上で注意点の解説は終了です。
家庭用エアコンの処分は一般のご家庭にも関わりの深いことですので、適切な処分を行い、適切にリサイクルされて資源が正しく循環する社会をみんなで作っていけるといいですね!
家庭用エアコンの処分でお困りの方へ
古谷商店は、有害使用済機器「ユニット型エアコンディショナー」の保管・手解体の許可を取得し、特定金属くず買受業の届け出も済ませたうえで、家庭用エアコンの買取・引き取りに対応しています。
「これって買い取ってもらえるの?」という段階でも構いません。まずはお気軽にお問い合わせください☆
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