青銅鏡を鋳造してみよう!【本講座編】逗子開成中学校・高等学校土曜講座レポート☆
東大阪のスクラップ屋、古谷商店です☆(^▽^)
今回の記事は2017年の7月31日に投稿させていただいた記事、「青銅鏡を鋳造してみよう!【試作編】逗子開成中学校・高等学校さんに銅を提供☆」の続編となります♬
是非、【試作編】から読んでいただければ、経緯も含めてこの記事をより楽しんで読んでいただけると思いますので、下記ブログ記事へのリンクをクリックしてみてくださいね☆(^ー^)
逗子開成中学校・高等学校さんの青銅鏡を作るプロジェクトに、原料となる銅を提供するというカタチで協力することになった古谷商店。
試作を経て、いよいよ生徒を募っての土曜講座の本番が開催されました☆
先生から送っていただいた報告をもとに、古谷商店としてもブログ記事にしてお届けしていきます♬
まずは鋳型の製作からスタート☆
11月4日 学校の上空は快晴。
有志を募って開催される今回の土曜講座には中学生12人、高校生8人が参加してくれました☆(^▽^)
先ずは溶けた青銅を流し込むための「鋳型(いがた)」を生徒さん達が一生懸命作りました。
鋳型のもとになるレプリカは、先生や教え子の調銀師さんが樹脂やワックスで作成したそうで、それを挟み込み、下半分の型と上半分の型を合わせるようにして鋳型を作ります。
この砂型を作る工程が生徒さん達にとっても印象的だった様子で、山盛りにした砂を叩き締めて行くことで想像以上に体積が減ったり、二酸化炭素を砂に加えることで硬くなったりする現象に驚きを感じたという感想が届きました(^▽^)
砂型作り、面白そうなので体験してみたいですね・・・
そして、いよいよ鋳型に流し込むための金属を熔かす工程に進んでいきます☆
いよいよ登場!古谷商店の銅ダライ粉☆
まずは耐火レンガで組み上げた炉の中でコークスを焚いて火をおこします。
青銅を1200℃まで加熱してドロドロにしていくわけですので、当然危険を伴う作業になります。
コンプライアンスが厳しくなってきているこのご時世ですので、今回の講座は学校側と保護者側の信頼関係があるからこそ実現できた講座だと感じました(^ー^)
さあ、ここでいよいよ古谷商店が提供した銅が登場です☆
銅と市販のスズを3:1の割合でルツボにいれ、コークスが燃え盛る炉の中に入れます。
10分ほど経つと銅とスズはすっかり融けて熱い青銅の液体になったそうです。
そして、熱い青銅に流れを良くするためにリン銅を入れて、さらに1200℃程度まで温度を上げると青銅が白色に近い色で輝いていきます☆
溶けた青銅を鋳型に注入!!
このあとは、青銅が冷え固まるのを待って、型から取り出す作業に進むのですが、青銅が冷えるまで待ち時間があるので、青銅についてちょっと”うんちく”を語りたいと思います♬(生徒さんも読んでくれると嬉しいなぁ)
「青銅」とは、主に銅と錫の合金になるのですが、人類にとっては非常に古くから活用されてきた金属です。
歴史の授業に出てくる銅剣や銅鏡はよく知られるところですが、例えばお寺の大仏(奈良の大仏や鎌倉の大仏など)や除夜の鐘なんかも青銅製のものが多くあります。
ちなみに奈良の大仏で500t、京都知恩院の除夜の鐘は70tもの重さがあるそうです・・・・こんな巨大なものを今回と同じような鋳造で作ったわけですから、その型はいったいどんな巨大なものだったのでしょうね・・・(^ー^;)
その他にも、映画パイレーツ・オブ・カリビアンに出てくるような船の大砲も青銅で作られることが多かったそうです。
そのため、英語では青銅の事を「BRONZE(ブロンズ)」のほかに「GUNMETAL(ガンメタル)」と呼びます。
日本でも「砲金(ほうきん)」と呼んだりしますね。(^▽^)
現代社会でも青銅は色んなところで活躍していて、身近なもので言うと水道の蛇口や、ご家庭についている水道メーターなんかにも青銅が使われていたりします。
(※近年は真鍮系のものが増えてきてます)
今回の講座で、生徒さん達も青銅を身近に感じるようになったのではないでしょうか?(^ー^)☆
緊張の瞬間・・・いよいよ青銅鏡を型から取り出していく!
さてさて、青銅についておしゃベりしているうちにドロドロだった青銅が冷え固まったようです☆
綺麗に青銅鏡が鋳造できたのか、緊張の瞬間がやってまりました♬
砂をハンマーで割っていく感じで、固まった青銅鏡が姿を現しました☆(^▽^)
きっとこの瞬間が一番感動したのではないでしょうか☆
ここから先は、鏡の面を顔が映るよう””磨き”の作業に入っていきます。
生徒さんの感想の中でもこの”磨き”の大変さについてのものが多く、道具が進化した現代でも大変なのに当時はどうやって磨いていたのか不思議に思う生徒さんが沢山いたそうです(^ー^)
そうして、苦労して磨き上げた青銅鏡がこちら↓↓
古谷商店の銅ダライ粉が、こうして青銅鏡に生まれ変わったのを見ると感激です(^▽^)
彫り上げた細かな装飾も、綺麗に吹き上がっています♬
砂型で作る鋳造独特の細かいザラザラした質感が、いい味を出していますね☆
大変だった鏡の面も、苦労の甲斐あってピカピカに仕上がっています(^ー^)
最後に、参加した生徒さん達の最高の笑顔をどうぞ♬
先生に送っていただいたこの2枚の写真を見たとき、本当に素敵なプロジェクトのお手伝いができて良かったなぁ・・・っと思いました。(^ー^)
このプロジェクトの報告は、逗子開成中学校・高等学校さんのFacebookでも詳しく紹介されています。
このブログにの掲載していない写真もたくさんUPされているので、そちらも併せて御覧ください☆
最後に、岩井先生をはじめ、プロジェクトに関わった皆様に感謝いたします☆
この「青銅鏡を作ろう!」という講座は、引き続き開催されるとのこと、古谷商店も出来る限りの協力をさせていただきます♬(^▽^)
最後まで読んでいただきありがとうございました☆
【関連リンク】
逗子開成中学校・高等学校 公式WEBサイト
逗子開成中学校・高等学校「土曜講座」
逗子開成中学校・高等学校 過去の土曜講座「たたら製鉄」の記事
逗子開成中学校・高等学校 過去の土曜講座「新年度土曜講座「たたら製鉄」のために」の記事