超硬スクラップの世界。小さいけど価値のあるスゴイ奴!(ハイス・サーメットにも触れます☆)
東大阪のスクラップ屋、古谷商店です☆(^▽^)
弊社では毎日のように多種多様な金属くずを買取させていただいていますが、今日はその中でも買取単価の高いスクラップ品目「超硬」について詳しく書いてみたいと思います♬
金属切削業に従事するみなさんにとっては毎日お世話になっているであろう「超硬」さん。
スクラップ的な視点から一緒に勉強して行きましょう(^ー^)
超硬とは?
まずは、「超硬」とは一体何なのか?というところからスタートしましょう。
一般的に「超硬」と読んでいますが、正式名称は「超硬質合金」となります。
粉末状の金属を融点よりも低い温度で加熱して一体化させたもので、ギュッと詰まった非常に緻密な構造の金属のかたまりのことを指します。
用途は様々ですが、金属を切削するための刃物(超硬工具)として、世界中で使われています。
切削工具としての超硬は、炭化タングステン(WC)とコバルト(Co)との合金が主な成分で、ダイヤモンドやセラミックに次ぐ硬さを実現しています。
まあ、金属を削るための刃物ですから、それくらい硬くないといけませんよね(^ー^;)
スクラップとしてはこうした刃物の超硬を「超硬チップ」とか「超硬ドリル」と呼んだりします。
主成分がタングステンということで、英語名は「タングステンカーバイド(Tungsten Carbide)」と言い、そもそも高価なレアメタルであるタングステンとコバルトの合金であることから、使用済みの超硬もスクラップとして価値が高いものになるのです☆
日本では超硬工具御三家として名の通っている下記の3つがメジャーな製品名ですね♬
- 東京電気の「タンガロイ」
- 住友電工の「イゲタロイ」
- 三菱マテリアルの「ダイヤチタニット」
超硬には様々な形があるんです☆
では、実際に入荷した超硬の写真を見ていきましょう(^▽^)
ここで紹介する超硬の形状はほんの一部。本当に多種多様な形状があるので、私達も毎回新しい発見があります☆
ひし形、三角形、四角形などの小さなものが「超硬チップ」。
ドリルに似たエンドミル(Endmill)状のものを「超硬ドリル」と呼んだりします。
エンドミルについては、刃先だけ超硬でほとんどが鉄の場合もあるので注意が必要です(^ー^)
同じ工具であるハイス、サーメットと超硬の違いとは?
切削工具には超硬の他にもハイスやサーメットも知られていますが、ここでは超硬との成分の違いやスクラップ的価値の違いについても見ていきましょう(^▽^)
■ ハイスとは?
英語のハイスピードスチールを略して「ハイス」と呼ぶようになっていますね☆
その名のとおり、耐摩耗性が高く、高速で切削するシーンで大活躍してくれています。
超硬が普及するまでは工具界の主役だったそうで、炭素、シリコン、クロム、タングステン、モリブデン、バナジウムなどを混ぜた合金です。
レアメタルの含有量が少ないため、スクラップの価値としても超硬に比べてガクンっと価格が低くなります(^ー^)
■ サーメットとは?
セラミックスよりも靭性(粘り強さ)に優れた工具素材として開発されました(^ー^)
切削工具としてのサーメットは、チタンを主成分として、ニッケルやコバルトを添加したものが主流となっています。
写真を見ると、超硬と非常によく似た形のものばかりですが、成分は超硬と全然違うということになります。
特に鋼(はがね)と相性がよく、仕上げの場面で大活躍してくれるのがサーメットです☆
弊社のようなスクラップ屋が取り扱う場合、原料として熔かしてリサイクルされていくわけですが、スクラップ的な価値は成分が全てとなります☆
超硬は非常に高価なタングステンが主成分ですので、スクラップになってもハイスやサーメットとは段違いの価格になっています(^ー^)
超硬とサーメットの写真を見て頂ければわかると思いますが、形が非常に似ているので見た目では判別が難しいです。
大きく違う点は「重さ」になりますね☆
■超硬の主成分であるタングステンは非常に重たい金属
■サーメットの主成分であるチタンは非常に軽い金属
ということで、同じ形、大きさでも、超硬のほうがサーメットよりも倍くらい重たいです(^ー^;)
超硬をスクラップとして高く売るためには?
絶対にほかの金属と混ぜないということ。
混ざってしまうと写真のような選別作業にかかる時間も人件費もかさむので、買取単価は安くなります。
混ざっているものでも取り扱いはできますが、出来る限り分別して溜めていただくほうが双方にとってメリットがあります。
工場で使い切った超硬やハイス、サーメットは、使い切ったその時に分別して溜めてもらうことが一番確実で効率が良い方法になりますよ♬
スクラップとして超硬を買い取りする場合、どうしても成分分析等が必要になってきますので一旦お預かりさせていただいていますのでご協力お願いいたします☆
塵も積もれば山となる!、超硬を捨てていませんか?
古谷商店は本当にたくさんの金属加工業の会社とお取引させていただいていて、毎日ダライ粉や材料の端材を回収しています。
そんな時に目につくのが、普通の鉄スクラップの中に超硬などの刃物も一緒に放り込んでいる光景です。
私達としては、「もったいないな〜・・・・」と思ってしまいますので、「超硬も分けて溜めてくれたらお得ですよ☆」っと声をかけています。
本当に普通の鉄と超硬では驚くほどの価値の差があるのです☆
騙されたと思ってペール缶一本分でも良いので溜めてみることをオススメします☆(^ー^)
今回のブログはここまで。
ちょっとでも皆さんのお役に立てる情報を書けていたでしょうか?(^ー^;)
古谷商店では超硬を中心とした切削刃物のスクラップも積極的に取り扱っております☆
「そういえば溜まっていたな〜」なんて方がいましたら是非お問い合わせください♬(≧▽≦)
古谷商店【お問い合わせ】のページはこちら
面白かった!っと思っていただけたら少し下のSNSボタンでシェアしてくれたら嬉しいです♬
かなりの長文となりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました☆
古谷商店様 はじめまして
サーメット 超硬 様々なリサイクル素材を拝見させて頂きました。
アクセサリーをデザインしているものですが こういったリサイクル素材をアクセサリーにして
作ってみたいと思うのですが何かアドバイス頂けますと幸いです。
アクセサリーの鋳造やさんは取り引き先にあります。
コメントありがとうございます☆(^▽^)
ブログ担当の岸本と申します。
確かに製造業の現場から出てくるスクラップには色んな形があって、デザイン性もあったりしますよね☆
この記事でご紹介した超硬をはじめとするスクラップは、金属を切削加工する際の刃物になりますので、入手方法としては切削加工をしている工場さんに、使い終わったものを分けていただくのもいいかも知れません。
しかし、超硬はその名の通り非常に硬い(摩擦にも強い)ため、穴を空けたり削ったりするのはなかなか困難かもしれませんので、そのままの形を活かしたデザインもいいかもしれません。
ちなみに、金型でプレス加工をする工場さんで、廃材をそのままアート素材として東急ハンズで販売した会社さんもあります。
↓↓
【スクラップ?アート?東急ハンズでの中辻金型工業さんの取り組みがクリエイティブ過ぎる!】
https://www.e-furutani.com/fact_re_use_20160209/
その他、海外では小さなネジやギアの廃材・不良品や古時計の部品などをスチームパンク系のデザイン素材として通販されていたりします。
(Amazonなどで「スチームパンク 材料」で検索するといろいろ出てきます)
製造過程で排出されるスクラップの造形が、そのままアートとして注目されたりする流れもありますので、アクセサリー素材としても活用できるかもしれませんね☆
こんばんは、すみませんですが
ちょっと聞きたいことがあるんですが教えてくださいませんか。
貴社の仕事はいろいろな材質を買取しているのを書いてあっています。そこで未だできているチップとかエンドミルがありますので再利用ができます。私は本当はそのチップとエンドミルを買いたいです。それで貴社はどう思ってできれば教えていただきませんか?
よろしくお願いします。ありがとうございました
失礼しました。